【丹波篠山市】現役市議会議員に訊く、「議員とはなにか」に迫る!

先日、「議員と話そう」という会に、現役丹波篠山市議会議員の小畠議員(現議長)、萩原議員にお招きいただき「なんでも訊いて」とのことでしたので訊いてまいりました。

今回の記事は、その内容を「議員とはなにか」というテーマでまとめたものです。

ちなみに、場所は萩原議員が経営する学習塾Qです。

そもそも市議会議員って何をするのか?

市からお金を払っても良いかどうかを決定するのが議会で、議員はその構成員です。

議員同士が意見を交わし、その上で賛成か反対かを決定します。

市のお金は税金を使うわけですから、個人的な思いで使うのは間違っています。

市民の意見を聞いて、使わないといけません。

しかし、その使い道をいちいち市民全員で決めていたら、時間もお金も手間もかかるし大変ですよね。

だから、市民に選ばれた代表として議員が議会で話し合いをして決定します。

議員が何しているのか、明確に知らない人も少なくないんじゃないかと思います。議員はあくまで「市民に選ばれた代表」として、議会で議論をし、決定をしているそうです。

市民から声を集めて、それを議会で提案すれば実現できる?

提案をするには、しっかりした根拠が必要になります。

市への提案は「一般質問」という形で行いますが、疑問だと思ったことをそのまま言うだけではなく、しっかりと調べて、そこにプラスして提案をします。

まずは市民の意見を聞くことから始めて現状を把握します。そして、それに対して、誰がするのか、費用はどれぐらいかかるのか、どんな効果が出るのかを考えます。

税金を使うので公平性の観点も重要になってきます。

議員の提案は、行政の提案や説明に対して「一般質問」という形で行います。一般質問は議員がただ単に疑問に思うことを質問するのではなく、しっかりと現状を把握しながら根拠を持って質問することが重要なのだと感じました。普段からの調査や市民からの声集めが武器になりそうですね。

議員になったら市民から「あれやってほしい」「これやってほしい」という声が届くと思うが、どうやって対処している?

議員になると市民からたくさんの声が届きます。

しかし、それらすべてが「市がやるべきこと」ではない場合もあるし、公平性の観点から個人的な声への対処も難しいので、1つ1つの声に対して議員が対処できる問題は限られます。

例えば「PTAの問題を解決してほしい」という声があったとしても、PTAはその名の通り「Parent-Teacher Association」なので、親と学校の先生とで組織される団体です。市は実質のところ関係がありません。

「市民の声を行政に届ける」というのが議員の仕事だといわれたりもしますが、どちらかというと「市民と行政の間を受け持つのが議員」だと考えています。

市民の声を届けることも必要ですが、市民に行政の声を届けることも必要です。

議員になると市民からたくさんの声が届くことは容易に想像できますし、それを想像したときに正直結構大変そうだなと思います。「市民に行政の声を届ける」ことを通して、市民に行政の仕組みを理解してもらうことも重要だと感じました。

議員は自治区などから立候補するのが普通なの?

自治区や特定のエリアを代表してでている議員は多いが、それは議員になったあとからついてくるものだと考えています。

確かに、自分の住んでいる場所や関わりの深い場所が議員の地盤になることが多いのは事実ですが、新人で立候補する人は少なくとも自分が出たいと思ったら手を上げるべきです。

現役議員が引退するときに後継者を自分のエリアから探すこともありますが、「この人が良い」と思ったとしても、その人が議員になりたいとは限りません。

仮に議員になりたいと思っていたとしても、現役議員本人がエリアからの信頼を得ているからといって、後継者がそのエリアに認められるか、応援してもらえるかは別問題です。

選挙は出たもの勝ちで受かったもの勝ちです。

議員になって始めて、エリアからの地盤を作ることができます。

確かにそのとおりだなと思いました。「議員は自分が関係するエリアに地盤を持っている」というのは結果的な話であって、「自分が関係するエリアに地盤がないと議員になれない」ということではないということですね。むしろ、新人段階からエリアに地盤を作ろうとすると痛い目を見そうな気がします。

議員の高齢化について思うことは?

議員に年齢は関係ないと思いますが、多様性や持続性の観点からは世代交代をしたほうがいいと考えます。

いろいろな属性を持った議員で議会が構成されることで、多様な意見が生まれます。

これからどんどん新しいことをしなければならないので、新しい考えを持った人や若者が議員になることは良いことだと思います。

若けりゃ若いほどいい、という話でもなく、いろいろな属性を持つことが重要であるということです。とはいえ、今の丹波篠山市議会には若い人がいなさすぎるので若い議員も欲しいところですね。

議員定数を減らすべきという話もありますが、どう考えている?

現状でベストだと考えています。

現在、議会の中で委員会が3つあり、それぞれ6人で構成されています。

委員会にはそれぞれ分野ごとの役割があって、分担しながら市のお金の使い道をチェックします。

仮に議員定数が減って、委員会が2つになった場合、これまで1/3での役割分担が1/2になるわけですが、市のお金の使い道の膨大な情報をチェックする上ではかなり負担になるし、見落としが起こるかもしれません。

議員定数が減れば、それだけ議員に対しての報酬分の経費が浮くので、定数を減らすべきだという声がありますが、その分、市全体のお金の使い道に対して適切な判断ができなくなるリスクがあるのです。

議員報酬なんて市全体のお金から考えると微々たるものだと思うので、それを浮かすために定数を減らすという議論はナンセンスだと思います。ただ、私個人的には、議員報酬をもっと上げて優秀な議員のなり手をふやすことのほうが重要なのではないかと思うので、定数を減らして議員報酬を上げる、というのもありかなと感じます。

議員のやりがいってなんですか?

すべてですね。

メリット、デメリットの話をすると、そもそも自分自身の受け取り方次第ではないでしょうか。

思うようにいかなかったら、思うようにいくように頑張る。

デメリットをメリットに変えていくことが重要ではないかと思います。

議員は大変なことが多いと思いますが、それを前向きに捉えていくというメンタルは重要だなと思いました。

まとめ

現役議員のお二人からリアルな議員のお話を訊かせていただきました。

ある種の常識みたいな話も訊かせていただきましたが、分かりやすく説明をしていただき、改めてその重要性を知ることができました。

特に議員の特定エリアの地盤の話とか、議会の高齢化の話は、私自身の思い込みを覆されるような内容でしたので、為になりました。

訊けば訊くほど、さらに訊きたいことがでてきたのですが、時間の都合もありましたので、またの機会にお話したいなと思います。

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