地域を持続可能にする上で大事な3つの要素があります。
それは「社会」「経済」「環境」です。
社会:地域に住む人の健康や、人とのつながり、生活の豊かさ、文化
経済:地域の産業や雇用の安定や多様性
環境:自然環境や資源、歴史
この3つの要素がバランスよく豊かでなければ、地域は持続可能になりません。
丹波篠山市について考えてみたいと思います。
丹波篠山市は、歴史や文化、自然などの資源が豊富で、黒豆やお米などの農作物が有名です。
そのため、観光で訪れる人が多い町だと思います。
観光客の増加は、特に「経済」において大きな効果が期待できます。
地域外からお金が入ってくるので、地域内のお金が増えます。
観光客は地域で買い物をします。
それを売っている企業は利益を生み、雇用も生み出します。
地域内のお金が増えるので、「社会」においても住んでいる人の生活の豊かさにも繋がります。
一見、いい事ずくめのようにも見えますが、デメリットもあります。
「経済」においては、大きな効果が期待できるものの
そのお金は「観光」に大きく偏ってしまうため、もし何かが起きて観光客が少なくなってしまうとそれだけで地域の経済に大きな打撃が与えられてしまいます。
「社会」においては、住んでいる人の豊かさにはつながるものの、生活環境が悪化してしまうこともあります。
実際、観光シーズンでは車が大量に押し寄せてくるので渋滞がすごくて困りますよね。
あと、「観光客向けに金を稼ごう」と考えるようになるので、あらゆるものが有料化したり、これまで安くで手に入っていたものが観光客向け価格になって住民が気軽に買えなくなってしまったりします。
「環境」においては、歴史的な建造物に立ち入る人が増えて劣化や損傷が加速します。その修復にはお金がかかりますし、場合によっては元に戻らない場合も出てきます。
また、車がたくさん出入りするので二酸化炭素の排出が増えるし、人が多く行き交うのでゴミも増えてしまいます。
丹波篠山においては実際のところ、観光客が増えることでどのような問題が起こっているかは、事細かに調べたわけではないし、丹波篠山市が観光にだけ注力をしていると言いたいわけでもないので、あくまで例え話として捉えていただければと思います。
要はメリット・デメリットがあって、一概に「良い」とは言えないということが伝われば良いなと思っています。
「じゃあどうしたらいいねん」って話なんですが…
「経済」においては、観光以外でも稼げる地域を目指さないといけないと思います。
観光は地域外の人に対してのビジネスなので、反対に地域内のビジネスを促進していく方法があります。
例えば、ITを活用してリモートで世界とビジネスができるようにするとか、地域内で起業を考えているスタートアップやベンチャーを支援するとか。
他にもアートやデザイン、映像などのクリエイティブに対しても支援していくことで、それらの仕事が活発になって、地元企業のPRにも繋がります。
「社会」においては、せっかく訪れた観光客に対しては、「さらに関わりたくなる」「なんだったら住みたくなる」アプローチが必要になると思います。例えば、観光客に売って終わりではなく、地域住民と観光客がコミュニケーションを長時間とれるようなイベントを開催するとか、日帰りではなく長期滞在できるように民泊施設を増やすとか。
また、地域住民の生活を豊かにするためにも、教育の質を向上させたり、地域住民同士が交流できる機会を増やしていくことも重要になると思います。
「自然」においては、観光客に対して自然を守ることの大切さについて伝えたり、自然環境保護と観光を融合したいわゆるエコツーリズムを推進していったりするのも大事だと思います。
他にもいろいろあると思いますが、要は「経済」「社会」「自然」という3つの要素に対してバランスを考えていくことって重要だよね、ということを具体的な例で伝えたかっただけなので
「もうすでに市で取り組まれている」「じゃあお前がやれ」とか言わないでくださいね笑
あくまで一例なので、みなさんが地域のことを考える上での参考になればと思っています。
逆にみなさんはこの記事を読んで、丹波篠山市の3つの要素のバランスは現状どのようになっていると感じましたか?
そして、それに対してバランスよく発展させていくために何が必要だと感じましたか?
ぜひ、一緒に考えていきましょう!